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哺乳類細胞用の複数の入出力を有するロバストな遺伝子回路の大規模設計
Nature Biotechnology 35, 5 doi: 10.1038/nbt.3805
哺乳類細胞用の人工遺伝子回路が意図したとおりに働くようにするには、大規模な微調整が必要となることが多い。本論文で紹介するBLADE(Boolean logic and arithmetic through DNA excision)は、複数の入出力を有する遺伝子回路を最低限の最適化によって哺乳類細胞で作製する強力で一般性を有する拡張可能なシステムである。BLADEの信頼性は、単一のプロモーターの制御下にあるリコンビナーゼへの依存から生じており、これによって回路のシグナルは単一の転写層にまとめられている。BLADEを用いてヒト胚性腎細胞およびJurkat T細胞で回路を113個作製し、定量的なベクトル近接性基準を考案してその性能を評価した。分析した113回路のうち、109回路(96.5%)は最適化せずとも意図した通りに機能した。回路はAddgeneを介して利用可能であり、そのなかには3入力2出力全加算器、6入力1出力ブール論理ルックアップテーブル、低分子によって誘導可能な制御方法を有する回路、およびCRISPR–Cas9を組み込んで内因性遺伝子を調節する回路がある。BLADEは哺乳類細胞での複雑な細胞計算の実行を可能とし、細胞工学および組織工学での応用が考えられる。
ボストン大学(米)、B H Weinberg et al.