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個人的・高密度・動的なデータクラウドを使用した108人の健康調査
Nature Biotechnology 35, 8 doi: 10.1038/nbt.3870
全ゲノム塩基配列、日々の活動の追跡、ならびに3時点での臨床検査結果、メタボローム、プロテオーム、およびマイクロバイオームを含め、108人の個人データを9カ月にわたって収集した。その全データを使用して、生理および疾患に関わる関連した解析対象の共同体を示す相関ネットワークを得た。解析対象共同体内のつながりにより、既知のバイオマーカーおよびバイオマーカー候補が特定された(例えば、γ-グルタミルチロシンは心代謝疾患の臨床解析対象と緊密に相互関連していた)。我々は、ゲノム規模関連解析(GWAS)から127種類の形質および疾患に関する多遺伝子スコアを計算し、それを用いて多遺伝子リスクの分子的相関因子を見いだした(例えば、炎症性腸疾患の遺伝的リスクには血漿シスチンとの負の相関が認められた)。また、個人データの情報による行動指導は、参加者の臨床バイオマーカー改善に寄与した。今回の結果は、個人データクラウドの経時的な測定により、疾患状態への早期の移行を含めて、健康および疾病に関する理解が深まることを示している。