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PAM特異性が変更された改変Cpf1変動体
Nature Biotechnology 35, 8 doi: 10.1038/nbt.3900
RNA誘導型エンドヌクレアーゼCpf1は、真核細胞の有望なゲノム編集ツールである。しかし、広く使用されているAcidaminococcus sp. BV3L6のCpf1(AsCpf1)およびLachnospiraceae bacterium ND2006のCpf1(LbCpf1)の有用性は、DNA基質中にプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)のTTTVを必要とすることによって制限されている。この制限に対処するため、Cpf1の標的範囲拡大を目指して構造情報に基づく変異導入スクリーニングを実施した。PAMとしてTYCVを認識するS542R/K607R、およびTATVを認識するS542R/K548V/N552Rという変異を保持する2種類のAsCpf1変動体が得られ、それはin vitroおよびヒト細胞で高い活性を示した。BLISSを用いてオフターゲット活性を全ゲノム的に評価すると、その変動体が高いDNA標的特異性を保持していることが示され、それは追加的な非PAM相互作用変異の導入によってさらに向上した。発見されたPAM相互作用変異をLbCpf1の対応する位置に導入すると、PAM特異性が同様に変化した。総合すると、今回の変動体はヒトコード配列中のCpf1標的範囲を約3倍に拡大し、切断部位は約11 bp当たり1カ所となった。