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SWATH-MSによる大規模サンプルコホート中のペプチドフォームの推定および定量
Nature Biotechnology 35, 8 doi: 10.1038/nbt.3908
サンプルコホート全体のタンパク質翻訳後修飾(PTM)の安定した検出および定量は、生物学的過程の機能解析の必要条件である。データ非依存性解析(DIA)は、プリカーサーイオンおよびフラグメントイオンに関する全情報を提供するボトムアップの質量分析法である。しかし、DIAデータセットの構造は複雑であるため、ペプチドフォームの確実で系統的な発見および定量は依然として困難である。本論文では、スペクトルライブラリーを用いてDIAデータセット中のペプチドフォームを検索、検証、定量する完全自動アルゴリズムIPF(inference of peptidoforms)を紹介する。この方法は、DIA法であるSWATH-MSで得られたデータで開発し、合成ホスホペプチドの参照データセットおよびホスホペプチド濃縮サンプルを使用して評価した。IPFは、従来の方法と比較して部位特定の誤りを7倍以上減じながら、真のシグナルの85.4%を拾い上げた。IPFによって我々は、ヒト双子コホートの200点以上の血漿サンプルから得たDIAデータ中のペプチドフォームを定量し、そのPTMに対する遺伝的、環境的、長期的な作用の寄与を評価した。