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人体のB細胞クローン分布アトラス
Nature Biotechnology 35, 9 doi: 10.1038/nbt.3942
B細胞の応答はクローン増殖を生じ、さまざまな組織で起こる場合がある。B細胞クローンが体内でどのように分布しているかを明らかにするために、93万3427系統のB細胞クローンの塩基配列解読を行い、6体のヒト臓器提供者で8つの異なる解剖学的区画へのマッピングを行った。その結果、大きなB細胞クローンが2つの広域ネットワークに分かれることが分かった。1つは血液、骨髄、脾臓、および肺に広がり、もう1つは消化管内組織(空腸、回腸、結腸)に限定されている。とりわけ、消化管のクローンが消化管の各所で広く配列変化を共有し、体細胞超変異の頻度が高かったことから、クローンの増殖および選択が広範囲で連続的に生じていることが示唆された。この知見から、B細胞クローン系統とその特徴、および組織のつながりに関する解剖学的アトラスが得られた。このリソースは、ワクチン反応、感染、自己免疫、がんを含め、組織に基づく免疫を研究するための基盤となる。