ヒトおよびマウスのmiRNAおよびそのプロモーターの総合的発現アトラス

マイクロRNA（miRNA）は短鎖非コードRNAであり、主として細胞制御を担う。我々は、FANTOM5（Functional Annotation of Mammalian Genome 5）プロジェクトの一環として、ヒトRNAサンプル396点およびマウスRNAサンプル47点に由来するCAGE（Cap Analysis Gene Expression）法のデータと同じ492セットの短鎖RNA（sRNA）ライブラリーで高性能塩基配列解読を行い、miRNAおよびそのプロモーターの総合的発現アトラスを作製した。1357個のヒトmiRNAおよび804個のマウスmiRNAに関してプロモーターが見つかり、種間で強い配列保存が認められた。さらに、初期miRNAのレベルと成熟miRNAのレベルは相関していて、合計1829セットのヒトCAGEライブラリーおよび1029セットのマウスCAGEライブラリーで、成熟miRNAレベルの代替値として初期miRNA測定値が利用可能であることが分かった。以上により、初代哺乳類細胞のmiRNA発現およびプロモーターに関する広範囲のアトラスが作製され、miRNA発現パターンおよび転写制御領域の詳細な解析の基盤が確立された。