臨床品質のバイオ医薬品のオンデマンド製造

従来の大規模な集中型単一製品製造施設でのタンパク質バイオ医薬品製造は、小規模患者集団用または個人用の薬剤の迅速な製造には適していない。タンパク質を発現させて精製する方法は複雑であるため、小規模製造のための従来の解決策では、工程の再現性および製品品質の両面で限界がある。本論文で紹介するInSCyT（Integrated Scalable Cyto-Technology）は、数百～数千回の投与に用いる臨床品質のタンパク質バイオ医薬品を約3日で一貫生産するための卓上多品種自動製造システムである。従来のシステムとは異なり、InSCyTには、持続的な生産、親和性標識を用いない効率的な精製、および組換えバイオ医薬品の最終投与形態への製剤を行うための完全な統合モジュールが含まれる。InSCyTは、塩基配列から精製済み薬剤を製造するまでの工程開発を12週間に加速できることが示された。我々は統合的な設計を用い、このシステムの極めて類似した工程でヒト成長ホルモン、インターフェロンα-2b、および顆粒球コロニー刺激因子を製造し、それらの純度と効力が標準の市販品と同等であることを示した。