Letter
スプライス部位をCas9の標的とすることによるヒト細胞の機能的長鎖非コードRNAのゲノム規模スクリーニング
Nature Biotechnology 36, 12 doi: 10.1038/nbt.4283
ヒトゲノムに存在する多くの長鎖ノンコーディングRNA(lncRNA)の機能は、拡張可能な機能欠失スクリーニングツールが存在しないために、解明されていない。我々は以前、CRISPR–Cas9のシングルガイドRNA(sgRNA)のペアを用いてlncRNAの小規模な機能スクリーニングを行った。本論文では、スプライス部位を標的としエキソンスキッピングまたはイントロンリテンションを起こすsgRNAを用いて、lncRNAの機能のゲノム規模のスクリーニングを行った。スプライス部位の標的化は、リボソーム遺伝子79個を標的とする負の選択スクリーニングにおいて、従来のCRISPRライブラリーを上回る成績を上げた。スプライシングを標的とするsgRNAのゲノム規模のライブラリーを用いてlncRNA 1万996個を対象とするスクリーニングを行ったところ、慢性骨髄性白血病K562細胞の増殖に重要な230個が同定された。GM12878リンパ芽球様細胞およびHeLa細胞を同じライブラリーでスクリーニングすると、lncRNAの重要性における細胞型特異的な差が明らかになった。大規模な検証によって、この方法の確かさが確認された。