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特異性の高いSpCas9バリアントを酵母でのin vivoスクリーニングで見いだす

Nature Biotechnology 36, 3 doi: 10.1038/nbt.4066

CRISPR–Cas9ヌクレアーゼはゲノム編集に有用であるが、オフターゲット活性の可能性があるため、特に治療目的では応用が制限されている。我々は、酵母を用いてオンターゲットとオフターゲットの両活性を同時に評価することができるアッセイを開発し、最適な化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)Cas9(SpCas9)バリアントを発見した。REC3ドメインにランダムな変異を有するSpCas9バリアントのライブラリーをスクリーニングしたところ、編集効率を維持しながら編集の正確さを向上させる変異が見いだされた。4つの有益な変異を組み合わせて新たなバリアントevoCas9を作製したところ、evoCas9は、忠実度が野生型、および合理的に設計されたCas9バリアントのいずれをも上回りながら(それぞれ79倍、平均4倍の改良)、オンターゲット編集効率はほぼ野生型のままであった(90%の残存活性中央値)。evoCas9を内在のゲノム座位で評価すると、特異性の大幅な向上が実証され、試験した8本の一本鎖ガイドRNA(sgRNA)のうち4本にはオフターゲット部位が認められなかった。最後に、evoCas9は、長期発現(40日間)を経ても、識別が困難なオフターゲット部位の非特異的切断を強く制限し、別の2か所のオフターゲット部位の切断を完全に抑止することが示された。

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