ディープラーニングが超解像局在性顕微鏡法を大きく進展させる

単一分子局在化に基づく超解像顕微鏡法（PALMやSTORMなど）は、少ない観察対象分子に対してそれぞれ数千フレームを記録する必要があるため、速度が制限されている。本論文では、迅速に取得された散在的な局在化画像や広視野画像から人工ニューラルネットワークで超解像度の像を再構成する電算的手法ANNA-PALMを紹介する。シミュレーションと、微小管、核膜孔、およびミトコンドリアの実験的撮像により、質の高い超解像画像が、通常必要とされるよりも最大2桁少ないフレーム数から、空間解像度を損なうことなく再構成できることが示された。超解像度の再構成は広視野画像のみからでも可能だが、局在化データを加えると画像の質が改善される。我々は、細胞を1000個以上含む1000視野以上の超解像撮像を約3時間行い、空間的スケールが約20 nm～約2 mmにわたる画像が得られることを示した。ANNA-PALMが実現する取得時間の大幅な短縮、およびサンプル照射強度の大幅な抑制は、従来よりも迅速で穏やかなハイスループットの生細胞超解像イメージングを可能とする。