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光合成人工細胞小器官が原始細胞系におけるATP依存的反応を持続させて制御する

Nature Biotechnology 36, 6 doi: 10.1038/nbt.4140

細胞内では、複雑な代謝反応は細胞小器官のさまざまなモジュール区画に分散している。細胞小器官内の反応は、機能的なタンパク質装置を膜系に再構成することにより、in vitroで再現されてきた。しかし、その反応を維持し、制御することは困難である。今回我々は、持続可能なエネルギーの供給源であるとともに小胞内での反応を管理する手段にもなる、切り替え可能な集光性細胞小器官の設計、作製、および検証を行った。1つのATP合成酵素および2つの光変換因子(植物由来の光化学系IIおよび細菌由来のプロテオロドプシン)により、ATP合成が可能となった。2つの光変換因子を光学的に別々に活性化することでATP合成を動的に制御できる(赤色光で促進、緑色光で阻害)。この光合成細胞小器官を巨大な小胞内に封入して原始細胞系を作製し、炭素固定およびアクチン重合化という2種類のATP依存的反応の光学的制御を実証した。なお、アクチン重合化では小胞の外膜の形態が変化した。切り替え可能な光合成細胞小器官は、恒常性や複雑な細胞挙動を示す制御ネットワークを備えた生体模倣小胞系の開発を可能にすると考えられる。

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