Letter

マウス胚およびデュシェンヌ型筋ジストロフィー成体マウスモデルのアデニン塩基編集

Nature Biotechnology 36, 6 doi: 10.1038/nbt.4148

改変型アデニンデアミナーゼおよび化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)のCas9 ニッカーゼからなるアデニン塩基エディター(ABE)は、ガイドRNA(gRNA)依存的なアデニンからグアニンへの一塩基置換を可能とする。本論文では、マウス胚および成体マウスでこの技術を応用した結果を示す。また、標準的なシングルガイドRNA(sgRNA)でアクセス可能な範囲の1~2塩基上流の位置が長鎖gRNAでアデニン編集されることも示す。我々は、ABEのmRNAおよび長鎖gRNAをマウス胚にマイクロインジェクションすることによってTyr遺伝子にヒマラヤン点変異を導入し、アルビノ表現型を示すTyr変異マウスを作製した。さらに、トランススプライシングアデノ随伴ウイルスベクターを用いて分割したABE遺伝子をデュシェンヌ型筋ジストロフィーマウスモデルの筋細胞に送達し、Dmd遺伝子のナンセンス変異を修正した。これにより、成体動物での塩基編集の治療可能性が実証された。

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