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リン酸化依存的な相互作用を全プロテオーム規模で発見するために、細菌でヒトセリンホスホペプチドをコード化する

Nature Biotechnology 36, 7 doi: 10.1038/nbt.4150

ヒトの細胞過程には翻訳後リン酸化が極めて重要であるが、この修飾には一過性で不均一であるという性質があり、天然系での研究が困難である。我々は、リン酸化、およびタンパク質間相互作用でリン酸化が果たす役割を全プロテオーム規模で調べる方法を開発した。再コード化した大腸菌でホスホセリンを遺伝的にコードし、ヒトセリンホスホプロテオームをペプチドに基づいて異種的に示した。10万個超のヒトホスホペプチドをコードする単一プラスミドライブラリーを設計し、そのうち3万6000個超でホスホセリンの部位特異的な組み込みを確認した。続いて、このホスホペプチドライブラリーをHi-Pという手法に組み入れ、セリンのリン酸化に依存するヒトタンパク質相互作用のプロテオームレベルでのスクリーニングを可能にした。Hi-Pを用いることにより、14-3-3タンパク質およびWWドメインタンパク質とホスホセリン依存的に相互作用する既知および新規と考えられる分子が数百種類発見された。これらのホスホペプチドは、全長リンタンパク質を用いるモチーフ解析およびプルダウン法から、天然のヒトホスホプロテオームの重要な結合特性を保持していることが明らかになった。この技術を用いれば、対象とするあらゆる生物、組織、または疾患で、ユーザーが規定したホスホプロテオームを調べることができる。

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