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アプタマーと薬剤の組み合わせによる人工心肺用の可逆的抗凝血剤
Nature Biotechnology 36, 7 doi: 10.1038/nbt.4153
人工心肺(CPB)を用いた手術用の標準的な抗凝血剤である未分画ヘパリン(UFH)は、術後出血のリスクがあり、ヘパリン起因性血小板減少症関連抗体を有する患者に危険を及ぼす可能性がある。別の抗凝血剤であるRNAアプタマー11F7tの活性を向上させるために、このアプタマーが第Xa因子(FXa)に結合した複合体のX線結晶構造解析を行った。その結果、11F7tは触媒部位に結合していないことが明らかになり、11F7tが低分子FXa阻害剤を補完する可能性が示唆された。11F7tとFXaの触媒部位阻害剤を組み合わせると、精製反応溶液および血漿中で抗凝血作用が強化されることが分かった。アプタマーと薬剤の併用は、CPBを模した体外酸素供給回路を循環するヒト血液においてUFHと同等の有効性で血栓形成を抑制することができた一方、UFHのような副作用は生じなかった。解毒薬は、両方のFXa阻害剤の抗凝血作用を速やかに解除することができた。以上の結果は、標的が同一である薬剤とアプタマーとを組み合わせることで、どちらかを単独で用いるよりも特異的で強力な作用を発揮させることができる可能性を示唆している。