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上流のオープンリーディングフレームのゲノム編集が植物の翻訳制御を可能にする

Nature Biotechnology 36, 9 doi: 10.1038/nbt.4202

上流のオープンリーディングフレーム(uORF)による翻訳調節は、下流の主たるORF(pORF)から合成されるタンパク質の量を制御するための一般的な機構と認識されるようになってきた。今回我々は、植物の内在性uORFのゲノム編集によって、発生または抗酸化物質生合成のいずれかに関与する4種類のpORFからのmRNAの翻訳を調節できることを見いだした。uORFの開始コドンを有する領域を標的とするシングルガイドRNAは、複数の変異を生じることができる。uORFを編集すると、4種類のpORFのmRNA翻訳量の変動が認められた。とりわけ、レタスのビタミンC生合成の重要な酵素をコードするLsGGP2のuORFを編集すると、酸化ストレス耐性が強化されるとともに、アスコルビン酸塩含有量が最大約150%増加した。こうしたデータは、植物のuORFの編集がmRNAの翻訳量を操作するための一般化可能で効率的な方法であり、生物学的機序の詳細な分析および作物の改良に応用される可能性があることを示している。

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