ヒト神経血管単位の連結型生体機能チップモデルが内皮細胞と神経細胞の代謝的連係を明らかにする

神経血管単位（NVU）は、中枢神経系において代謝恒常性や薬物動態、薬力学の調節を行っている。NVUでの代謝のフラックスと転換は、脳の微小血管内皮、血管周囲細胞、アストロサイト、およびニューロンの相互作用に依存しており、それぞれの細胞型の寄与を特定することは困難である。今回我々は、ヒトNVUをマイクロ流体生体機能チップを用いてモデル化し、NVUの機能において個々の細胞型が果たす役割を分析した。3つの連係したチップによって、血液脳関門（BBB）を越える流入、脳実質区画、およびBBBを越える排出がモデル化された。我々は、この連結型システムを用いて向精神薬メタンフェタミンの血管内投与の作用を模倣し、これまで未知であったBBB–ニューロン間の代謝的連係を明らかにした。このように、NVUシステムは神経刺激薬の輸送、効果、作用機序および毒性をin vitroで探る方法を提供する。