Perspective

生物医学におけるディープラーニング

Nature Biotechnology 36, 9 doi: 10.1038/nbt.4233

ディープラーニング(深層学習)は、膨大なデータセットの統合、任意に複雑な関係の学習、および既存の知識の組み込みを行うことができるため、生物学的研究や生物医学的応用に影響を与え始めている。ディープラーニングのモデルはすでに、遺伝的多様性が発病に関与する細胞過程をどのように変化させるのか、どの低分子が治療関連タンパク質の活性を調節するのか、およびX線画像が疾患を示しているのかどうかに関して、精度はさまざまながら、予測を行うことができる。しかし、導入されたシステムの性能を保証し、また意思決定の論拠を求める利害関係者、臨床医、および規制当局者との信頼関係を確立する上で、ディープラーニングの柔軟性は新たな課題を生み出している。今回我々は、そうした課題は、課題を生み出したのと同じ柔軟性を用いることで、つまり、例えば予測の論理的根拠を出力できるようディープラーニングモデルを訓練することで解決できると示す。生物医学分野でディープラーニングの可能性を十分に具現化するには、この方向での意義ある研究が必要であろう。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度