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血液メタボロームがヒト腸内マイクロバイオームのα多様性を予測する
Nature Biotechnology 37, 10 doi: 10.1038/s41587-019-0233-9
腸内マイクロバイオームのα多様性の低下は複数のヒト疾患に関係しているが、それが宿主の分子表現型にどの程度反映されているのかはほとんど明らかにされていない。我々は、消費者ウエルネスプログラムの登録者のコホート(N = 399)で、約1000種類の血液検査項目(臨床検査、プロテオミクス、およびメタボロミクス)から腸内マイクロバイオームのα多様性の予測を試みた。77種類の標準的な臨床検査項目および263種類の血漿タンパク質では腸のα多様性が正確に予測されなかったが、α多様性の分散の45%は40種類の血漿代謝物のサブセット(40種類のうち13種類は微生物由来)によって説明されることが明らかになった。この40代謝物の予測能力は別の検証コホート(N = 540)およびさまざまな病態で確認され、我々の知見の確かさが示された。本論文で示した代謝物バイオマーカーの中には、心血管疾患、糖尿病、および腎機能と関連するものがあった。極度の肥満者(BMI ≥ 35)では宿主の代謝物と腸内マイクロバイオームのα多様性との関係が変化しており、代謝の摂動が示唆された。血液メタボロームによって腸内マイクロバイオームのα多様性が予測されることで、腸内細菌の健全性をモニタリングする臨床検査法の開発に向けて道が開かれる可能性がある。