Article
神経膠芽腫の免疫療法を改善する膜標的をAAV–Sleeping BeautyハイブリッドベクターによるCD8 T細胞のin vivo CRISPRスクリーニングで発見する
Nature Biotechnology 37, 11 doi: 10.1038/s41587-019-0246-4
T細胞に基づく免疫療法の有効性は、膜タンパク質を標的とすることによって改善される可能性がある。本論文では、T細胞の標的の発見を促進するため、Sleeping Beauty(SB)トランスポゾンとシングルガイドRNAカセットがアデノ随伴ウイルス(AAV)に入れ子状に含まれているハイブリッド遺伝子スクリーニング系を開発した。SBを介したシングルガイドRNAカセットのゲノム組み込みによって、初代マウスT細胞での効率的な遺伝子編集とスクリーニングの読み取りが可能となった。我々は、神経膠芽腫(GBM)のマウスモデルでCD8+ T細胞の標的膜タンパク質のin vivo AAV–SB-CRISPRスクリーニングを行った。スクリーニングの「ヒット」の検証は、Pdia3、Mgat5、Emp1またはLag3の遺伝子編集を行ったCD8+ T細胞の養子移入により、同系モデルおよびT細胞受容体形質転換モデルの両方でGBMマウスの生存期間延長を示すことによって行った。トランスクリプトームのプロファイリング、単一細胞塩基配列解読、サイトカインアッセイおよびT細胞シグナル伝達解析から、T細胞のPdia3の編集によってエフェクター機能が増強されることが示された。改変PDIA3変異型EGFRvIIIキメラ抗原T細胞は、ヒトGBM細胞の抗原特異的殺傷能が高かった。