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高輝度で安定した蛍光RNAによって生細胞のRNA動態を可視化する

Nature Biotechnology 37, 11 doi: 10.1038/s41587-019-0249-1

蛍光RNA(FR)は蛍光色素に結合してそれを活性化させるアプタマーであり、多くの細胞RNA種の撮像に用いられてきた。しかし、輝度の低さや、スペクトル特性の異なる色素とアプタマーの組み合わせが限られるなどの制約によって、哺乳類の生細胞およびin vivoでのこのツールの使用は制限されている。今回我々は、高輝度かつ安定的であって発光極大値がシアンから赤色まで幅広い一連の単量体FR「Pepper」を開発した。Pepperは、生細胞内の多様なRNA種の簡単で安定した撮像を可能にしながら、標的RNAの転写、局在化および翻訳の変動は最小限に抑えられる。単一細胞内のタンパク質とそのメッセンジャーRNAのレベルを定量化したところ、翻訳は正常な酵素動態によって制御されるが、不均一性が著しいことが示唆された。さらに我々は、PepperがCRISPRディスプレイによるゲノム座位の撮像、タンパク質・RNAテザリングのリアルタイムな追跡、および超分解能の撮像に使用可能であることを示した。このようなFRは、細胞RNAのライブイメージングに有用なツールになると考えられる。

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