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ヒトプロテオームの共調節マップでタンパク質の機能が発見される
Nature Biotechnology 37, 11 doi: 10.1038/s41587-019-0298-5
真核細胞に存在する無数のタンパク質に機能をあてがうことは、今なお容易でない。我々は、タンパク質同士の関係を明らかにしてタンパク質の機能アノテーションを可能にするために、同位体標識質量分析法を利用して、294種類の生物学的摂動に対する1万323種類のヒトタンパク質の量的変化を明らかにした。機械学習アルゴリズムtreeClustを用いることにより、我々独自のデータとProteomics Identificationsデータベースのデータセットとを合わせてできたProteomeHDから、共調節されるヒトタンパク質同士の機能的関係が明らかになった。これにより、ヒトプロテオームの共調節マップが得られた。共調節から、物理的に相互作用したり共存したりしていないタンパク質同士の関係を捉えることができた。一例として、ペルオキシソーム膜タンパク質PEX11βとミトコンドリア呼吸因子との共調節から、哺乳類細胞内のペルオキシソームとミトコンドリアとのオルガネラ界面が発見された。我々は、従来の方法で調べるのが困難な微小タンパク質の機能も予測した。この共調節マップの詳細は、www.proteomeHD.netで公開している。