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網羅的でスケーラブルなプローブ設計によるメタゲノム中の配列多様性の捕捉
Nature Biotechnology 37, 2 doi: 10.1038/s41587-018-0006-x
メタゲノム配列解読は微生物の検出および特性評価を一変させる可能性があるが、その感度を高めるためには新たなツールが必要である。本論文では、多様な微生物分類群を濃縮するために核酸の捕捉をコンピューターで強化するCATCHという方法を紹介する。CATCHでは、指定のオリゴヌクレオチド数を持ち、既知の配列多様性を十分にカバーしてそれによく適合する最適なプローブセットが設計される。我々は、CATCHを利用して複雑なメタゲノム試料中のウイルスゲノムを捕捉することに取り組み、ヒトに感染することが知られているウイルス356種の全ゲノムを標的とするものを含む複数のプローブセットの設計、合成、および検証を行った。これらのプローブセットによる捕捉では重複のないウイルスの量が平均18倍に濃縮され、それによって濃縮なしでは回収することができないゲノムのアセンブリーが可能となり、試料内の多様性が正確に保存された。このプローブセットを使用することで、2018年にナイジェリアで大発生したラッサ熱のウイルスゲノムも回収され、ヒトおよび蚊の試料で未同定のウイルス感染の検出が改善された。以上の結果は、CATCHがメタゲノム配列解読の感度と費用対効果を向上させることを示している。