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減数分裂遺伝子と受精遺伝子の同時ゲノム操作による雑種イネのクローン種子

Nature Biotechnology 37, 3 doi: 10.1038/s41587-018-0003-0

優良な高収量作物株を得る目的でヘテロシス(雑種強勢)が利用されているが、有益な表現型は遺伝的分離によって次の世代で失われる。種子によるクローン増殖であれば、F1雑種の自己増殖が可能になる。本論文では、種子によるF1イネ雑種のクローン生殖を可能にする方法を紹介する。我々は、減数分裂遺伝子REC8PAIR1、およびOSD1の多重CRISPR–Cas9ゲノム編集を行ってF1雑種イネのヘテロ接合性を固定し、クローンの二倍体配偶子および四倍体種子を得た。次に、受精に関与するMATRILINEAL遺伝子(MTL)の編集によって雑種イネで半数体種子の形成が誘導されることを実証した。また、雑種イネで4遺伝子全て(REC8PAIR1OSD1MTL)を同時に編集することによってヘテロ接合性の固定と半数体の誘導とを組み合わせ、種子によってクローン増殖できる植物を得た。我々の方法を利用することにより、さまざまな優良F1雑種作物の自己増殖が実現される可能性がある。

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