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遺伝子、エピジェネティクス、および塩基の編集を行うための高活性で標的範囲が広い改変型CRISPR–Cas12aバリアント
Nature Biotechnology 37, 3 doi: 10.1038/s41587-018-0011-0
CRISPR–Cas12a(Cpf1)ヌクレアーゼは、長いプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)TTTVを必要とするため、幅広い使用が妨げられている。この制約に対処するため、これまで認識不能であった多くのPAMを対象にできるように標的範囲を大幅に広げた強化型Acidaminococcus sp. Cas12aバリアント(enAsCas12a)を作製した。標準的なTTTV PAMを持つ部位に関して、enAsCas12aは野生型AsCas12aの平均2倍のゲノム編集活性を示し、これまでに報告されている他のAsCas12aバリアントにenAsCas12aの変異の一部を導入して、その活性を高めることができた。enAsCas12aは、多重遺伝子編集、内在性遺伝子の活性化、およびCからTへの塩基編集の効率が向上した。さらに我々は、オフターゲット作用を抑制するために高忠実度版のenAsCas12a(enAsCas12a-HF1)を作製した。enAsCas12aとenAsCas12a-HF1はいずれも、リボ核タンパク質複合体として導入すると、HEK293Tおよび初代ヒトT細胞内で機能した。まとめると、enAsCas12aは最適化版のCas12aであり、遺伝子やエピジェネティクスの編集におけるCas12a酵素の用途を広げるものと考えられる。