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人工多能性幹細胞の低免疫原性分化細胞は十分な免疫能のある同種異系レシピエントでの免疫拒絶を免れる

Nature Biotechnology 37, 3 doi: 10.1038/s41587-019-0016-3

自己の人工多能性幹細胞(iPSC)は、患者に特異的な細胞に基づく臓器修復戦略のための無限の細胞供給源となる。しかし、その樹立およびそれに続く特定の細胞や組織への分化は細胞系列特異的な製造上の課題を伴い、過程が長期にわたるため、急な治療を行うことができない。こうした欠点は、あらかじめ作製された同種異系の細胞や組織を使用することで克服される可能性があるが、組織不適合な細胞に対する強力な免疫応答のため、この手法はうまくいっていない。今回我々は、マウスおよびヒトのiPSCで主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスⅠおよびⅡの遺伝子を不活性化させてCD47を過剰発現させると、両者とも免疫原性を失うことを明らかにした。この低免疫原性iPSCは、多能性幹細胞としての能力と分化能を保持していた。マウスまたはヒトの低免疫原性iPSCに由来する内皮細胞、平滑筋細胞、および心筋細胞は、完全にMHC不適合の同種異系レシピエントで免疫拒絶を確実に免れ、免疫抑制剤を使用しなくても長期にわたって生存した。以上の知見から、汎用的な移植のための低免疫原性移植細胞の作製が可能であることが示唆された。

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