Analysis
ヒトゲノムで生殖系列の小バリアントコールのベンチマーキングを行うためのベストプラクティス
Nature Biotechnology 37, 5 doi: 10.1038/s41587-019-0054-x
塩基配列データからコールされるバリアントの正確度の評価には、標準化されたベンチマーキング法が必要である。バリアントコーリングのツールおよびその性能の評価に用いられる指標は絶えず改善されているが、大きな課題が残されている。本論文では、「ゲノミクスと健康のための世界連合(Global Alliance for Genomics and Health;GA4GH)」の一環として、バリアントコーリングのためのベンチマーキングの枠組みを紹介する。我々は、バリアントコールをさまざまな表現と対応付け、標準性能指標を定め、バリアントの種類やゲノムの状況によって性能を層別する方法に関する手引きを示す。また、真集合として使用可能な信頼性の高いコールと領域の限界を記す(例えば、一塩基バリアントに関する2つの方法の一致率は、高信頼性領域の内側の99.7%に対して外側は76.5%)。我々のウェブアプリでは、バリアントコールと真集合の比較により、標準化された性能レポートを得ることができる。我々の方式は、高信頼性領域内でのクラス最高のバリアントコーリング法を決めるPrecisionFDAバリアントコーリング・チャレンジで試験運用されている。また、このツールの使用およびその結果の評価を行うための一連のベストプラクティスを推奨する。