Article

高感度ながん診断法としての改変免疫細胞

Nature Biotechnology 37, 5 doi: 10.1038/s41587-019-0064-8

内因性バイオマーカーは、疾患の早期発見に関する研究の最先端に位置し続けているものの、多くは疾患管理に影響を及ぼすのに必要な感度や特異性を備えていない。本論文では、がんを高感度に早期発見する細胞利用型のin vivoセンサーを紹介する。我々は、ルシフェラーゼの発現とアルギナーゼ1プロモーターの活性化とを組み合わせることにより、M2腫瘍随伴代謝プロファイルをとると合成レポーターを産生するようにマクロファージを改変した。結腸直腸腫瘍マウスモデルおよび乳房腫瘍マウスモデルで養子移入を行うと、改変マクロファージは腫瘍へ移動してアルギナーゼ1を活性化させ、生物発光画像化法および血中ルシフェラーゼの測定で検出された。このマクロファージセンサーは、炎症が同時に存在する場合でも、血中ルシフェラーゼの測定によってわずか25~50 mm3の腫瘍を検出し、臨床で使用されているタンパク質や核酸のがんバイオマーカーを上回る感度を示した。マクロファージセンサーは筋肉と肺の炎症モデルでも免疫反応を効果的に追跡したことから、この方法ががん以外の疾患状態でも有用である可能性が示唆された。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度