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時変膜透過電圧によるナノポアDNA塩基配列解読法の正確度向上

Nature Biotechnology 37, 6 doi: 10.1038/s41587-019-0096-0

ナノポアDNA塩基配列解読法には、塩基コールの正確度が低いという難点がある。従来、塩基コールの正確度向上は、特殊な塩基コールアルゴリズム、さまざまなナノポアとモーター酵素、またはDNA分子を読み直す生化学的方法に依存してきた。配列解読の正確度に対しては、主として、酵素による誤りとシグナルが識別不能な配列という2種類のエラーモードが障害となっている。我々は、スメグマ菌(Mycobacterium smegmatis)のポリンA(MspA)のナノポアを横切る周波数200Hzの駆動電圧を100mVから200mVまで変化させることで、ナノポアを通過するDNA鎖の動き方を変化させた。DNAヘリカーゼがナノポア内でDNAを非連続的に移動させ、可変電圧が各段階の間のDNAを連続的に移動させる。可変電圧が生成する電気シグナルを用いることで、塩基コールの主たるエラーモードが克服された。1回通過のde novo塩基コールの正確度は、一定の駆動電圧では62.7 ± 0.5%であったのに対し、可変駆動電圧では79.3 ± 0.3%に向上することが明らかになった。可変電圧塩基配列解読方式は、他の方法を補完してナノポア塩基配列解読法の正確度を高めるものであり、任意の酵素駆動型ナノポア塩基配列解読装置に組み込むことが可能と考えられる。

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