Analysis

Scanoramaによる不均質な単一細胞トランスクリプトームの効率的な統合

Nature Biotechnology 37, 6 doi: 10.1038/s41587-019-0113-3

複数の実験、実験室、技術で得られた単一細胞RNA塩基配列解読(scRNA-seq)データを統合することで生物学的知見が明らかになる場合があるが、scRNA-seqデータを統合する既存の方法には、機能的に類似した細胞に由来するデータセットが必要であるという制限がある。本論文では、データセットの全ての組み合わせに共通する細胞型を特定してマージし、scRNA-seqデータの不均質なコレクションを正確に統合するアルゴリズムScanoramaを紹介する。我々は、9種類の異なる技術を代表する26件のさまざまなscRNA-seq実験に由来する10万5476の細胞を対象としてScanoramaを適用し、統合およびバッチ効果の除去を行った。Scanoramaは、同一細胞系統内のわずかな時間的変化に対する感度が高く、CD14+単球のマクロファージへの分化におけるさまざまな段階の時系列データで、機能的に類似した細胞を的確に統合できた。また、Scanoramaは既存の手法と比較して数桁高速であり、細胞109万5538個のコレクションをわずか9時間程度で統合できる。

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