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ルーメンマイクロバイオームの生物学と酵素発見に有用な4941点のルーメンメタゲノムアセンブルゲノム集
Nature Biotechnology 37, 8 doi: 10.1038/s41587-019-0202-3
反芻動物は全世界の数十億人にとって重要な栄養源となっている。ルーメンは、植物由来の複合多糖類の分解に適応した特別な胃である。ルーメン微生物相のゲノムは、反芻動物の食物で支配的な植物質の消化に適応した数千種類の酵素をコードしている。我々は、反芻動物のウシ283頭から得た約6.5テラ塩基のショートリードおよびロングリード配列データを用いて、ルーメン微生物のメタゲノムアセンブルゲノム(MAG)4941点のアセンブリーを行った。本論文では、完成度が80%以上の細菌およびアーキアゲノムのアセンブリーを可能とするゲノム分解メタゲノミクスのワークフローを紹介する。注目すべきことに、ルーメン細菌の単一コンティグ全染色体アセンブリーがロングリードデータから3点組み立てられ、そのうち2点は未知のルーメン種のものであった。このルーメンゲノムコレクションを用いて、多数のルーメンタンパク質の予測およびアノテーションを行った。このルーメンMAGセットにより、ルーメンメタゲノム塩基配列解読リードのマッピング率は15%から50〜70%に上昇した。今回のゲノムおよびタンパク質リソースは、ルーメン微生物相の構造および機能に関する理解の深化を可能にすると考えられる。