in vitro転写を利用するDNAバーコードと1塩基編集のin situ読み取り

1細胞を一意に識別する分子バーコーディング技術では、バーコード測定の限界が障害となっている。塩基配列解読による読み取りが組織内の細胞の空間的構成を維持しない一方、画像化法は空間的構造を維持するもののバーコード配列に対する感度が低い。本論文では、画像を用いて短い（20塩基対）DNAバーコードを読み取る方法を紹介する。Zombieと命名したこの方法では、人工的なバーコードをファージRNAポリメラーゼが固定細胞内で転写する。そして、生成したRNAは蛍光in situハイブリダイゼーションで検出する。Zombieは、競合するマッチプローブとミスマッチプローブを利用することにより、バーコード中の1塩基の違いを正確に識別することができる。この方法では、生細胞内でバーコードを発現させることなく、高密度のコンビナトリアルなバーコードライブラリーおよびCRISPR塩基編集で生成した1塩基変異がin situで読み取られる。Zombieは培養細胞、ニワトリ胚、および成体マウス脳組織を含むさまざまな状況で機能する。小型の多様なDNAバーコードを画像化によって高感度で読み取るその能力は、幅広いバーコーディングおよびゲノム記録戦略を促進すると考えられる。