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腫瘍サブクローンの推測を評価するための基準を作成するコミュニティー的取り組み
Nature Biotechnology 38, 1 doi: 10.1038/s41587-019-0364-z
腫瘍のDNA塩基配列解読データは、ゲノム不均一性を解析して進化的動態を推定する計算法によって解釈することができる。そうした手法を用いてがんの進化を臨床的進行および治療への反応と関連付ける研究が増加してきた。がんゲノム解析では腫瘍の系統発生の推測が急速に標準的作業となりつつあるが、それを評価する基準は存在しない。このニーズに対処するため、我々は腫瘍のサブクローン性を推測する方法を体系的に評価した。まず、サブクローンの推測における大きなアルゴリズムの問題を明らかにし、それを評価するための定量的な測定基準を設定した。次に、既知のクローンおよびサブクローン全ての変異の種類および過程を含む実際的な腫瘍ゲノムをシミュレーションした。最後に、腫瘍の読み取り深度、腫瘍の種類、および体細胞バリアント検出のさまざまな580通りの腫瘍推測を評価した。今回の解析は、腫瘍不均一性の基準的解析法を確立するための基盤となるものである。