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工業用酵母Pichia pastorisを従属栄養生物からCO2で増殖可能な独立栄養生物に変換する

Nature Biotechnology 38, 2 doi: 10.1038/s41587-019-0363-0

メチロトローフ酵母であるPichia pastorisは工業用酵素および医薬品の製造に広く用いられている。多くの生物工学的生産ホストと同様にP. pastorisも従属栄養生物であり、増殖に用いられる有機原料は食料品および動物飼料の生産と競合している。持続可能性の高い工業的製法を目指す取り組みの中で、我々はP. pastorisをCO2で増殖する独立栄養生物へ変換した。異種遺伝子8個を導入して生得の遺伝子3個を欠失させることにより、P. pastorisのペルオキシソームのメタノール同化経路を、自然界の主要なCO2固定経路であるカルビン・ベンソン回路に似たCO2固定経路に変換した。得られた酵母株は、CO2を唯一の炭素源としてμmax = 0.008 h−1で連続的に増殖することができた。比増殖速度は適応的実験室進化によって0.018h−1までさらに改善された。この改変P. pastoris株は、温室効果ガスであるCO2を隔離し、食料品の生産でも使用される有機原料の消費を回避することにより、持続可能性を増進する可能性がある。

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