Analysis

細胞アトラスプロジェクトに用いる単一細胞RNA塩基配列解読プロトコルのベンチマーキング

Nature Biotechnology 38, 6 doi: 10.1038/s41587-020-0469-4

単一細胞RNA塩基配列解読法(scRNA-seq)は、試料中の個々の細胞のトランスクリプトームを明らかにする極めて重要な技術である。最近のプロトコルは数千個の細胞に拡張可能であり、組織、器官、および生物の細胞アトラスの構築に用いられている。しかし、そうしたプロトコルはRNA捕捉効率や偏り、規模、コストに大きな差があり、さまざまな用途に対する相対的な優位性が不明である。本研究では、細胞の種類と状態を網羅的に示す能力という観点からプロトコルを系統的に評価するために、ベンチマークデータセットを作成した。我々は、広く用いられているscRNA-seqと単一核RNA-seqのプロトコル13種類を不均質な参照試料リソースに用いて比較する多施設試験を行った。比較解析の結果、プロトコルの性能には顕著な差が見いだされた。これらのプロトコルはライブラリーの複雑性と細胞型マーカーの検出能に差があり、予測値と参照細胞アトラスへの組み込みに対する適合性に影響が生じている。本研究の結果は、個々の研究者とヒト細胞アトラスのようなコンソーシアムプロジェクトの両方にとっての手引きとなる。

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