Article
ナノポア塩基配列解読とShastaツールキットで11人のヒトゲノムの効率的なde novoアセンブリーを実現
Nature Biotechnology 38, 9 doi: 10.1038/s41587-020-0503-6
ナノポア技術によるロングリード配列を用いたヒトゲノムのde novoアセンブリーが報告されているが、それには15万時間を超えるCPU時間と数週間という経過時間を要する。迅速なヒトゲノムアセンブリーを可能にするものとして、我々は、de novoロングリードアセンブラーShasta、ならびにMarginPolishとHELENと名付けた仕上げアルゴリズムを紹介する。単一のPromethIONナノポアシーケンサーと我々のツールキットを用いて、我々は11人の高度に連続したゲノムのde novoアセンブリーを9日で行った。1サンプル当たり3つのフローセルを使用して、カバー率は約63倍、リードのN50値は42 kb、100 kbを超えるリードのカバー率は6.5倍を達成した。Shastaは、単一の商用計算ノードで6時間とかからずに完全長半数体ヒトゲノムを得た。MarginPolishとHELENは、ナノポアのリードのみを用いて半数体アセンブリーを99.9%以上の同一性に仕上げた(PhredクオリティースコアQV = 30)。近接ライゲーション塩基配列解読を加えることで、11人のゲノムの全てでほぼ染色体レベルのスキャフォールドが得られた。我々は、二倍体、半数体、およびトリオビニングのヒト試料で我々のアセンブリーの性能を既存の方法と比較し、正確さと速度が優れていることを明らかにした。