Analysis

ナレッジグラフの動態の学習が高インパクト研究を予告する

Nature Biotechnology 39, 10 doi: 10.1038/s41587-021-00907-6

科学のエコシステムは、研究の質に関する不完全で一貫性がなく操作されやすい尺度しかもたらさない引用ベースの指標に依拠している。本論文では、科学文献から時を超えて算出される特徴量の間の高次の関連性を自律的に学習することで「高インパクト(impactful)」な研究の予告シグナルを提供するフレームワークであるDELPHI(Dynamic Early-warning by Learning to Predict High Impact)を紹介する。我々は、この機構のプロトタイプを作成し、その性能とスケーリング特性を、バイオテクノロジー関連の42誌から抽出され、780万個以上の個別ノード、2億100万組以上の関連性、38億個以上の計算指標を含む1980~2019年の時間構造化出版グラフに基づいて推定した。我々は、1980~2014年の重要なバイオ技術20件のうち19件を盲検式の後ろ向き調査で正しく見分けることによってこの機構の性能を証明し、DELPHIが時間スケールを調整したノード中心性の上位5%にいずれは入るものと予測した2018年以降の研究論文50編を示す。DELPHIは、インパクトが最適化された分散型の資金提供ポートフォリオの構築を支援するツールになると考えられる。

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