Letter

XplA/XplB発現スイッチグラスによる軍用爆薬RDXのファイトレメディエーションを実証する野外試験

Nature Biotechnology 39, 10 doi: 10.1038/s41587-021-00909-4

爆発性のヘキサヒドロ-1,3,5-トリニトロ-1,3,5-トリアジン(RDX)は弾薬の主成分であり、軍事演習場で広く使用されている。そのため、米国の地下水や帯水層には広くRDX汚染が報告されている。RDXは有毒であるが、演習場からの除去は物理的に困難であって、経済性に優れた持続可能な解決策が存在しない。以前に我々は、土壌細菌Rhodococcus rhodochrous 11YのRDX分解酵素をコードする2遺伝子xplAxplBを発現するように改変したシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)が実験室研究でこの生体異物を分解できることを明らかにした。本論文では、軍事施設の3か所で3年間実施したXplA/XplB発現スイッチグラス(Panicum virgatum)の野外試験の結果を示す。我々のデータは、XplA/XplBスイッチグラスが実地で有効性を持ち、実弾演習場、弾薬集積場、地雷原でRDXの毒性の除去に有用となる可能性があることを示唆している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度