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生体分子を検出する合成生物学センサーを組み込んだウエアラブル材料
Nature Biotechnology 39, 11 doi: 10.1038/s41587-021-00950-3
合成生物学をウエアラブル装置に組み込むことで、生理学的状態、病態、病原体や毒素への曝露を非侵襲的にモニタリングする機会が広がる可能性がある。しかし、合成回路の動作には生きている改変細菌の存在を要することが一般的であるため、ウエアラブル装置への応用は進んでいなかった。本論文では、代謝物、化合物、病原体の核酸シグネチャーを検出する、凍結乾燥された無細胞合成回路(CRISPR系のツールを含む)で機能化された、軽量で柔軟性のある支持体と繊維素材を紹介する。このウエアラブルデバイスは、水に触れると再水和して活性化され、比色変化によって、または蛍光や発光の出力を検出する光ファイバーネットワークを介して、特定の標的分子の存在を示す。核酸の検出限界は、定量PCRなどの既存の実験法に匹敵する。我々は、室温で装着して90分以内に重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)を非侵襲的に検出する凍結乾燥CRISPRセンサーを備えたフェイスマスクを実際に開発した。これはボタンを押す以外にユーザーの介入を必要としない。