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in vivoイメージングのための遺伝子コード型近赤外カルシウム指示薬

Nature Biotechnology 39, 3 doi: 10.1038/s41587-020-0710-1

カルシウムイメージングは現代の神経科学を支える柱となったが、従来の蛍光カルシウム指示薬のスペクトル特性によって、他のプローブとの同時使用や深部組織のイメージングが制限されている。我々は、2種類の単量体近赤外(NIR)蛍光タンパク質を用いて、NIR Förster共鳴エネルギー移動(FRET)に基づく遺伝子コード型カルシウム指示薬(iGECI)を作製した。iGECIは輝度と光安定性が高く、カルシウムに対する蛍光反応が最大600%増強した。解離ニューロンでは、iGECIによって自発神経活動や、電気的あるいは光遺伝学的に誘発された発火が検出された。我々は、1光子光シートイメージングを用いて、急性脳切片で深さほぼ400 μmまでのiGECIの性能を評価した。我々は、光音響蛍光ハイブリッド顕微鏡法を適用して、マウス脳の神経活動と血行動態活性を、約3 μm(横方向)および約25~50 μm(軸方向)という解像度で、無処置の頭蓋骨越しに同時追跡した。我々はまた、2光子イメージングを用いて、マウス視覚領の誘発と自発神経活動を、最大25%という蛍光変化で検出した。iGECIは、スペクトルのクロストークを生じることなく、バイオセンサーと光遺伝学アクチュエーターを多重化させることができる。

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