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ファージディスプレイによる高度に選択的な共有結合阻害剤の発見
Nature Biotechnology 39, 4 doi: 10.1038/s41587-020-0733-7
高分子の標的物質と共有結合する分子は、活性に基づくプローブや不可逆的な結合剤として幅広い用途が見いだされている。しかし、共有結合の形成に必要な求電子剤の反応性は一般的なものであり、選択性の制御が困難である。現在、多様性に富む候補分子プールから新種の共有結合阻害剤を偏りなく迅速に見いだすスクリーニング法は存在しない。本論文で我々は、共有結合を形成して標的タンパク質に結合するリガンドを直接選別するファージディスプレイ法を紹介する。この方法は、反応性リンカーを用いてファージ表面に環状ペプチドを形成すると同時に、標的上の求核剤と共有結合反応する求電子「弾頭」を導入する。我々はこの方法により、システインプロテアーゼとセリンヒドロラーゼをナノモルの有効度と極めて高い特異性で不可逆的に阻害する環状ペプチドを発見した。この方法は、多様な分子標的に関して高度に選択的な新種の共有結合阻害剤を発見する迅速で偏りのないスクリーニングを可能にすると考えられる。