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三次元並列化RESOLFT顕微鏡法による立体的な生細胞イメージング
Nature Biotechnology 39, 5 doi: 10.1038/s41587-020-00779-2
細胞内の細胞小器官や分子の立体構造を解明するためには、3つの次元全てで十分に高い空間分解能を有する顕微鏡法が必要である。従来の方法を生細胞の画像化に用いる場合、光軸に沿った分解能の不足、長い記録時間、光退色という制約がある。本論文では、生細胞全体で80 nm以下の3D分解能を発揮する3D pRESOLFT(3D, parallelized, reversible, saturable/switchable optical fluorescence transition)顕微鏡を紹介する。三次元的に限定された等間隔の強度最小値の配列を生じる干渉パターンによる高度に並列化された画像取得によって、広視野(約40 × 40 μm2)の高速取得(1~2 Hz)が実現した。これにより、切換可能な蛍光タンパク質を暗状態へ可逆的に転換することができ、蛍光が狙い通り三次元的に限定されるようになった。我々は、生細胞の細胞小器官の3D構造と動態、および培養海馬ニューロンの可塑性進行中のシナプスの立体構造変化を可視化した。