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ミリメートルサイズの超音波インプラントで深部組織の酸素供給状態をモニタリングする
Nature Biotechnology 39, 7 doi: 10.1038/s41587-021-00866-y
固形臓器移植後の血管合併症は、移植片の虚血、機能不全、または喪失を来す場合がある。画像法で移植片の灌流を断続的に評価することはできるが、高度な技能を持つ医師が必要であり、移植片の酸素供給状態が直接評価されるわけでもない。組織の酸素供給状態をモニタリングする既存のシステムには、有線接続が必要で、リアルタイムにデータを取得することができず、操作が表面組織に限定されるという制約がある。本論文では、深部組織のO2をモニタリングするための最小侵襲性システムを紹介する。このシステムは、ヒツジでセンチメートル規模、ex vivoブタ組織で最大10 cmの深部組織から連続リアルタイムデータが得られる。このシステムは、埋植可能なミリメートルサイズの無線式超音波給電型ルミネッセンスO2センサーと双方向データ転送用の外部送受信機によって構成され、手術または重症者管理の適応で深部組織の酸素供給状態のモニタリングを可能とする。