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臨床現場でSARS-CoV-2抗体を検出する発光バイオセンサーの作製

Nature Biotechnology 39, 8 doi: 10.1038/s41587-021-00878-8

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の抗体に用いる現在の血清学的検査は、主として酵素免疫測定法(ELISA)、化学発光微粒子免疫測定法、またはラテラルフローアッセイという形をとるが、手間がかかる、高コストである、または十分な感度と拡張性を欠くという問題がある。今回我々は、合理的に設計された分割型ルシフェラーゼ抗体バイオセンサーを使用して血清、血漿、全血、および範囲は限定的ながら唾液に含まれる抗体を検出するための迅速で低コストの溶液測定法を開発し、その検証を行った。定量的な結果が30分で得られるこの新規測定法は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の抗体検査の複雑さを大幅に軽減し、スケーラビリティーを向上させる。この測定法はワクチン接種またはウイルス感染に対する宿主の体液性応答をモニタリングするものであり、臨床現場での検査、幅広い集団の検査、低リソース環境での使用に適している。

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