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ABRF次世代塩基配列解読法試験でのDNA塩基配列解読プラットフォームの性能評価

Nature Biotechnology 39, 9 doi: 10.1038/s41587-021-01049-5

超並列DNA塩基配列解読プラットフォームの再現性、正確度、および有用性の評価は進行中の課題である。今回、生体分子リソース施設協会(Association of Biomolecular Resource Facilities;ABRF)の次世代塩基配列解読法試験(Next-Generation Sequencing Study)は、ヒトおよび細菌の基準DNA試料を用いて、各種の塩基配列解読装置[HiSeq/NovaSeq/ペアエンド2 × 250 bpケミストリー、Ion S5/Proton、PacBio CCS(環状コンセンサス配列解読)、Oxford Nanopore Technologies PromethION/MinION、BGISEQ-500/MGISEQ-2000、GS111]の性能のベンチマーク評価を行った。ショートリード機では、HiSeq 4000とX10の一貫性とゲノムカバー率が最高レベルであった一方、BGI/MGISEQの塩基配列解読エラー率が最も低かった。ロングリード機のPacBio CCSは、基準に基づくマッピング率が最も高く、非マッピング率が最も低かった。PacBio CCSとPromethION/MinIONという2つのロングリードプラットフォームは、反復の多い領域とホモポリマーの塩基配列マッピングが極めて優れていた。2×250 bpのリードケミストリーを用いるNovaSeq 6000は、既知の挿入欠失事象の捕捉に関して最もロバストな装置であった。本研究は、現在のゲノミクス技術のベンチマークになるとともに、実験計画と次世代塩基配列解読法のバリアントコールに情報を提供する情報資源にもなるものである。

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