Article

全身用モノクローナル抗体、ペプチド、小分子の胃内自動注射器による経口送達

Nature Biotechnology 40, 1 doi: 10.1038/s41587-021-01024-0

経口投与は簡便で非侵襲的な薬物送達法である。しかし、消化管内は吸収が不十分で酵素による分解が迅速なため、必要な用量と薬物動態を得るために非経口的な注入を要する分子が多い。本論文では、最大用量4 mgの生体利用可能な薬剤の送達を可能とする服用型の液体自動注射器を紹介する。これは、注入の薬物動態が高速で、絶対生物学的利用率が最高80%に達し、投与後30分以内に最大血漿薬物濃度が得られる。この手法の投与効率と薬物動態は、我々がかつて設計した注射カプセルから1桁改善されており、臨床利用可能な技術と前臨床の化合物透過促進技術との比較で最大2桁高い。今回のカプセルをブタに投与し、一般には注射される4種類の薬物(アダリムマブ、GLP-1アナログ、組換え型ヒトインスリン、エピネフリン)を臨床用量で送達した。覚醒動物モデルを対象とした今回の複数日に及ぶ投与実験と経口投与は、この系の臨床化の可能性を支持する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度