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RADIANTによる高多重立体マッピング

Nature Biotechnology 40, 3 doi: 10.1038/s41587-021-01041-z

多数のタンパク質の位置を本来の三次元(3D)的状況にマッピングすることは、生物医学の多くの領域で有用と考えられるが、多重蛍光画像化法は元々の多重化能に限界があり、多重性を高める方法の大多数は薄い試料(< 100 μm)にしか適用することができない。本論文では、ラマン分光法の狭いスペクトルを利用し、厚い試料中の複数の標的を1回の撮影で画像化することができる光学的方法RADIANT(Raman dye imaging and tissue clearing)を紹介する。我々は、適切で生体直交型のラマン色素の範囲を拡大し、専用の組織透明化法rDISCO(Raman 3D imaging of solvent-cleared organs)を開発した。我々は、RADIANTを用いてミリメートル厚の脳切片中で最大11の標的を画像化し、画像深度を従来の多重タンパク質画像化法の10~100倍に高めた。また、小脳の発生における領域特異的な相関ネットワークとそのトポロジーなど、系の情報の抽出にRADIANTが有用であることを示した。RADIANTは、複雑な系における入り組んだ3Dタンパク質相互作用の探索を容易にするものである。

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