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Multiscale PHATEはCOVID-19の多層的シグネチャーを明らかにする

Nature Biotechnology 40, 5 doi: 10.1038/s41587-021-01186-x

生物医学領域で生成するデータセットがますます複雑化、高次元化する中で、生物学的な知見を引き出すためにはさらに高度な計算ツールが必要となっている。本論文では、あらゆるレベルのデータ粒度を探り、疾患の転帰を直接予測する観念化された生物学的特徴を明らかにする方法であるMultiscale PHATEを紹介する。拡散凝縮(diffusion condensation)と呼ばれる粗粒化処理を基盤とするMultiscale PHATEは、高レベルのデータ要約は粗い分解能で、サブセットの詳細な表現は微細な分解能で解析することができるデータトポロジーを見いだす。168人の入院患者の細胞5400万個を含む新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のデータセットにMultiscale PHATEを用いると、死亡例にはCD16hiCD66blo好中球とIFN-γ+グランザイムB+ Th17細胞の応答が見られることが明らかになった。また、Multiscale PHATEの集団分けを分類器に直接入力すると、データの単純な特徴量化を上回る正確さで疾患の転帰が予測されることも示された。Multiscale PHATEは、フローサイトメトリー、単一細胞RNA塩基配列解読(scRNA-seq)、scATAC-seq(single-cell sequencing assay for transposase-accessible chromatin)、および臨床変数などの各種データに広く一般化可能である。

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