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Perturb-seqによるがんのコーディングバリアントの超並列フェノタイピング

Nature Biotechnology 40, 6 doi: 10.1038/s41587-021-01160-7

ゲノム塩基配列解読試験はがんの体細胞バリアントを無数に見いだしてきたが、その大部分は表現型への影響を予測することが依然として課題となっている。影響の大きなバリアントを識別するための実験的手法は、バルク細胞集団で所定の遺伝子に特異的な機能的影響を明らかにする表現型アッセイを用いるものが多い。今回我々は、プール型のPerturb-seqによって単一細胞でのバリアントの影響を機能的に評価する手法を開発した。我々は、30万個を超える単一肺がん細胞でRNAプロファイルに対する200個のTP53 およびKRASバリアントの影響を評価し、そのプロファイルを用いてバリアントを表現型のサブセットに分類して機能獲得、機能喪失、およびドミナントネガティブのバリアントを区別し、それを全く異なるアッセイとの比較によって検証した。我々は、KRASのバリアントが個別の機能カテゴリーに当てはまるだけでなく機能獲得表現型の連続体に広がることを明らかにし、その機能的な影響が患者コホート内での頻度だけでは予測されないことを見いだした。本研究は、遺伝子にとらわれずにコーディングバリアントの影響のフェノタイピングを行う拡張可能な方法を提供しており、それはさまざまな疾患の状況で利用できる可能性がある。

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