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腫瘍特異的な遺伝子融合の正確な検出が個人の高免疫原性のネオアンチゲンを明らかにする

Nature Biotechnology 40, 8 doi: 10.1038/s41587-022-01247-9

がん関連の遺伝子融合は高免疫原性のネオアンチゲンの潜在的な供給源であるが、個人の遺伝子融合を正確かつ高感度に発見する計算ツールは存在せず、個別化がん免疫療法での標的化が制限されている。本論文で紹介するEasyFuseは、ヒトがん検体から得られたトランスクリプトームデータに含まれるがん特異的な遺伝子融合を検出する機械学習計算パイプラインである。EasyFuseは個人の遺伝子融合を予測する精度および感度が高く、既報のツールよりも優れている。がん患者の自家血リンパ球で免疫原性を検討したところ、既成のCD4+およびCD8+ T細胞の応答が、それぞれ発見された遺伝子融合の21例中10例(48%)および30例中1例(3%)で見いだされた。がん患者で見いだされるT細胞応答の頻度が高いことは、特に遺伝子変異量の低い腫瘍に関して、個別化免疫療法で標的となる可能性のあるネオアンチゲンとしての個々の遺伝子融合の関連性を支持している。

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