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単一細胞オミクスや空間的オミクスのためにアノテーションの移転と細胞の種類の分解を統合するTACCO

Nature Biotechnology 41, 10 doi: 10.1038/s41587-023-01657-3

単一細胞オミクス、空間オミクス、マルチオミクスのデータのアノテーションの移転は、低空間分解能や高ドロップアウト部分などの技術的な制約と同時に、細胞状態の連続的なスペクトルのような生物学的変動もあるために、困難な場合が多い。こうしたデータは細胞や分子の連続的な混合体として最も適切に描写されることが多いという考え方に基づき、我々は、多様なデータのアノテーションを行うためのさまざまなラッパーで拡張された最適輸送モデルからなるTACCO(transfer of annotations to cells and their combinations)のための計算的枠組みを紹介する。我々はTACCOを用いて、細胞のタイプと状態の特定、空間分子的組織構造の細胞レベルと分子レベルの解読、合成データセットと生物学的データセットによる分化軌跡の解明を行った。TACCOは、個々のタスクの専用ツールの正確さと同等もしくはそれを上回りながら、計算的要件を最大1桁減じており、(例えば、100万回の模擬ドロップアウト観測のアノテーション移転の実行時間を考慮すると)より大きなデータセットに適している。

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